<受講前>
化粧療法は尊厳を守るケア。医療・福祉領域にメイクセラピーを!
【受講前までの自分】
結婚前まで看護師として働いていた私は、認知症患者さんに学生がマニキュアをつけたことをきっかけに化粧療法《メイクセラピー》を知りました。とても感動した私は、すぐにでも看護ケアとして活かせないのかと考えました。しかし、実際の看護にメイクセラピーを導入するには目的や具体的な方法、根拠が必要になります。当時は化粧療法に関する論文は少なく、根拠や方法論の情報を得ることはできませんでした。
結婚と同時に仕事を辞め、専業主婦になった私は、急に社会から遠い存在になった気がしました。看護師としてキャリアを積んでいる同期たちに対し、なんとなく焦りを感じていました。
しかし、そんな子育てに追われる中でも、母親としてメイクやスキンケアをする時間は私の中の“幸せなお母さん”を支えてくれました。鏡を見て、自分をケアすることは子育て中であっても、とても大切な時間だと実感しました。それは、自分らしくいるため、本来の自分を取り戻すために必要な時間でした。化粧には外見を飾るだけではないチカラがある。そう確信しました。
こうした化粧による心理的・社会的効果をより深く学びたいと思い当講座を受講しました。
【受講後の自分 現在の活動状況】
“自分がどうありたいのか”を意識して自分で印象を管理するようになると、初対面でも自分のことをすぐに理解してもらえるようになります。
受講中に自分自身の外見や内面とたくさん向き合ったので、自分がどんな印象を周りに与えているのか、また自分自身はどうありたいのか、少しずつ明確になりました。また、子育てにおいても、人をケアする側としても、自分自身を無条件に肯定できていないと他者を無条件に肯定することはできないことを学びました。
講座受講後はママ向けの講座やメイクレッスンを行っていましたが、「自分がやりたかったものと違う・・・」と感じた私は、医療・介護現場に美容ケアを広げる活動へとシフトチェンジしました。
現在は大学病院の外見ケアイベントで美容サービスの提供。
地域の老人福祉センターでの講師業。老人ホームで美容・整容ケアを担当しています。
また、保健医療福祉領域において“ケアツールの1つとしての化粧”といった 新たな化粧文化を確立するための講演活動等も積極的に行っています。
【今後の夢や目標、想いなど】
様々な活動を通じて、私はこのメイクセラピーには大きな可能性を感じています。
今後は我が子の成長に合わせ、私自身も看護師として復帰し、全人的ケアの1つとしてメイクセラピーを提供していきたいと思っています。また、この分野をより学術的にも探求していきたいと考えています。
お顔はとてもパーソナルな部位でもあり、コミュニケーションの媒体でもあります。お顔をマッサージし、血流を促進させ、ゆったりとした気分になり、きれいになれることは本人にとっても、その方を取り囲むご家族にとっても幸せなことではないでしょうか。最期どんなお顔をしているか、それは遺される者にとって、非常に大きな問題です。
病気や障がい、ご高齢などにより、美を諦めている方々へ美容の持つ優しさと愛を届け、
「最期までその人らしく美しく生き切れる」
そんな看護と美容のプラットフォームをつくりたいと思っています。